2020/06/28 2020/07/07

通関士の就職は?未経験や中途も求人はある?通関士就職の実情を解説します。

通関士とは、貿易業務に関する国家資格です。日本と海外との間で、輸出入の量が増える近年、通関士は就職やキャリアップに役立つ資格として注目されています。

事務職で長く働きたい方、専門職として知識や経験を積み上げたい方に、オススメの資格です。

「通関士試験合格を目指したいけれど、求人はあるの?」「通関士は英語や中国語など外国語が必要?」「通関士はどこで働くの?」などの質問を受けます。このように実際の通関士の就職の現状はあまり知られていません。

この記事では、通関士の就職や求人の現状を解説します。試験合格後の働く姿を具体的に知ることで、通関士への理解が深まり、試験勉強のモチベーションを高めることができます。

通関士の求人は?どこで働く?

通関士の就職の現状

通関士を管轄している財務省 税関が発表している通関業務に携わる人数の推移です。通関業務とは、輸出入の申告書の作成、審査・記名、税関への申請などです。

少子化や不景気にも関わらず、2010年からの10年間、従業者数は安定しています。この傾向は、今後も続く見込みです。

通関士や通関業務に関わる仕事は、安定した需要があります。安定した事務系の専門職に就きたい方に心強い味方になる資格です。

通関業従業者数の推移
通関士その他合計人数

2010

7,184

8,042

15,226

2011

7,362

8,144

15,506

2012

7,391

8,204

15,595

2013

7,585

8,257

15,842

2014

7,666

7,983

15,649

2015

7,803

8,135

15,938

2016

7,906

8,049

15,955

2017

7,848

7,998

15,846

2018

8,107

7,251

15,358

2019

8,216

7,755

15,971

(各年4月1日現在)

通関士は財務大臣への申請が必要

通関士は、通関業務に関する専門的知識、経験を有する専門家として、原則として通関業務を行う営業所ごとに通関士を置かなければならないと法律で定められています。

通関士とは、国家試験である通関士試験に合格した者のうち、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受け、通関業務に従事する者をいいます。

つまり、試験に合格したのちに、勤務している会社(通関業者)が財務省に申請し、財務大臣の許可を得て、通関士となります。

通関士試験には合格した後、「通関士」として申請せずに、通関業務に携わっている方もいます。その場合は、上記表の通関士の数には入っていません。通関士として申請しなくても、通関士試験の勉強は、通関業務の実務に役に立ちます。

通関士は通関業者に会社勤め

通関士は、ほとんどが通関業者に勤務して仕事を行います。通関業者とは、倉庫会社、物流会社、航空会社、通関士事務所など、輸入会社の代理で通関業務を行う会社のことです。

弁護士、司法書士、行政書士などの他の法律系国家資格と異なり、通関士は企業勤めのサラリーマンとして会社内で経験を積み、活躍します。

通関士の就職先は税関の近く

通関業者は、輸出入のモノが出入りする場所や税関の近くに営業所を構えていることが多いです。成田空港、羽田空港、関西国際空港などの空港や貿易港の近くなどです。

全国の税関ごとの通関業従業者の数です。

東京、横浜、名古屋、大阪などの大都市が多いですが、それ以外の地方でも、仕事があるのが通関業務です。

税関別通関業従業者数
税関通関士その他合計
函館

238

333

571

東京

2,431

2,278

4,709

横浜

1,144

1,160

2,304

名古屋

991

926

1,917

大阪

1,622

1,213

2,835

神戸

933

707

1,640

門司

676

849

1,525

長崎

128

187

315

沖縄

53

102

155

8,216

7,755

15,971

(平成31年4月1日現在)

空港や港以外にも広がる勤務地

以前は、通関業者のほとんどが空港や港の近くにありましたが、近年、通関業者の所在地域が広がってきています。

それは、通関業務のシステム化が進んだからです。通関業務は、「輸出入・港湾関連情報システム(NACCS)」を利用して行うことができます。

輸出入・港湾関連情報システム(NACCS) ホームページ

https://www.naccs.jp/

このシステム上でデータの入力や申告が行えるようになり、通関業者が税関の近くになくても、業務が可能になりました。今後このシステム化の流れはさらに進んでいくので、勤務地の選択肢も増えていきます。

通関士の資格を取得することは、就職や転職の選択肢を広げることに繋がります。

通関士未経験や中途でも求人はある?

経験重視だが未経験も求人あり

通関士は専門知識が必要な国家資格であるため、採用には経験が重視されることがあります。けれども、未経験の方を受け入れている企業も見られます。 輸出入取引が拡大したことによる増員や新規部署の設立による求人募集があります。

就職サイトや転職サイトを通じての求人募集が大半です。通関士としての就職・転職を考えている人は、まず、就職サイトや転職サイトで、試しに求人を検索してみましょう。

また、海外営業など、通関業者以外で通関士の知識が必要とされている求人もあります。通関士が未経験だから就職が難しいという訳ではありません。通関士の資格取得は、あなたの就職活動やキャリア形成の味方になります。

中途採用求人もあり

通関士は、他の職業と同様に、出産、育児、介護などで、一時的に職を離れる方もいます。その欠員募集採用をしている企業があります。欠員募集のため、経験者を重視される場合が多いですが、未経験者や他の業界からの転職組も採用されています。

他の業界からの転職組は、以前の業界での経験や知識が評価されて採用に繋がる場合もあります。

特に法律や数字を扱う専門的な事務職のため、細やかな対応や正確性が重視されます。他業界からの転職や中途採用の場合、前職での経験で通関業務に活かせる経験・能力をアピールするとよいでしょう。

女性の働く場としても人気

知識と経験が評価される専門的な国家資格である通関士。出産や育児、介護等で一時的に職を離れた場合でも、通関士資格と過去の経験を生かして、復職することができます。

勤務地は全国にあるため、家族の転勤等で引っ越しが必要になる場合も、転居先で通関士や通関業務に関する職を探すことができます。

通関士はあなたの人生を支えてくれる 一生モノの資格と言えます。

幅広い活躍の場がある

通関士試験は、通関士として働くだけでなく、貿易の専門家として、様々な場面で役立つ資格です。商社やメーカーで働く人が海外営業や輸出入の交渉、資材調達などに携わる際にも、通関士試験の勉強で学んだ専門的な知識が役に立ちます。

通関士資格を持っていることで、商社やメーカーへの就職を有利に進めたり、活躍の舞台を広げたりできます。

英語や中国語など外国語は必要?

必須ではないが、あれば良い

通関士は、「海外との取引だから英語を使って仕事するの?」「英語や中国語ができないと採用されない?」といった質問を受けます。

現状は、通関士が通関業務に携わる際、英語や中国語は必須ではありません。なぜなら、通関士が主に仕事上でやりとりする相手が、日本の役所である税関や日本の輸入業者などの会社だからです。「英語をたくさん話して、英語で仕事する」状況を希望すると、期待外れに終わるかもしれません。

仕入書「 INVOICE」が英語で書かれており、英語の書類を扱う機会はあります。決まった形式の書類が多いため、慣れるまでは戸惑うかもしれませんが、高度な英語力は必要とされていません。

通関士にとって、語学力はなくても問題なく、あればよい程度のものです。英語力に自信がない方、英語ができなくても大丈夫です。

語学力を生かす場は輸出入業者

貿易に関する仕事で、語学力が必要とされる場所は、メーカーや商社などの、輸出入業者です。メーカーや商社などの海外事業や輸出入部門に在籍する場合、直接的な海外の企業とのやりとりがあり、語学力が必要になります。

通関士は、その輸出入業者から、通関業務(税関への申告や書類作成)の部分を代行しています。

通関士になるための勉強は?

未経験の方は通信講座をおすすめ

貿易業務未経験、または経験が浅い方、法律の文章や税金の計算に馴染みがない方は、通信講座の受講や通学での学習をおすすめします。

通関士試験は、全科目でそれぞれ60%以上が合格基準であるので、3科目満遍なく勉強する必要があります。通信講座や通学講座なら、3教科全てを網羅し、効率よく勉強することができます。

<通信講座>
ユーキャンの通関士講座
https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/52/
※資料請求でカリキュラムを確認することができます。

クレアール
通関士・貿易実務
https://www.crear-ac.co.jp/tsukanshi/

<通学制講座>
資格の学校 TAC
通関士/貿易実務検定®︎
https://www.tac-school.co.jp/kouza_tukan.html

まとめ

通関士は、求人数が安定している将来性のある仕事です。勤務地は東京、横浜、大阪など大都市を中心に、全国にあります。専門的な事務職に就きたい方には一押しの資格です。

他業界からの転職や中途採用もあります。通関士に興味・関心がある方は、ぜひその一歩を前に踏み出しましょう。

今日のあなたの行動が、未来のあなたをつくります。どうしようかと悩む時間がもったいないです。悩む前にまず行動しましょう!

執筆者
NEXIL編集部
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