ピラティスインストラクターを目指そう!おすすめ5つの資格
ピラティスは体幹やインナーマッスルを鍛えるエクササイズとして、ヨガとともに人気があります。ピラティスインストラクターになるには、どのような資格が必要なのでしょうか?将来インストラクターとして働きたい、独立して自分のスタジオを持ちたいなど、夢を叶えるためにまずは資格取得を目指しましょう。
ピラティスインストラクターは、流派や資格もさまざまなので、おすすめの資格や費用なども紹介します。
ピラティスとは?
ピラティスインストラクターを目指すなら、知っておきたいピラティスの基本知識です。最終的にどの資格を取るかの参考にもなります。
ピラティスの始まり
1920年、ドイツ人ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスによって開発されたピラティス。従軍看護師だった彼は、ケガをした人や病気だった人の身体を回復させるためにこのエクササイズを考案しました。
その定義は「身体のストレッチ」「筋力強化」「バランス強化」を目的としてデザインされた、エクササイズと動作法とされています。本来、全身を整える効果を目的としているのです。
ピラティスの歴史
ピラティス誕生から100年が経った今も、多くのモデルや芸能人が世界中でピラティスをワークアウトに取り入れています。ピラティス・メソッドは、どのようにして100年間愛され続けてきたのでしょうか。
ドイツ人のピラティスは、第一次世界大戦後メソッドを考案していましたが、1919年までマン島の収容所にいました。釈放後、ピラティスを広めるために、1926年にアメリカを目指します。最初はニューヨークのバレエ団で、ダンサーがケガから回復するためにピラティスを行っていました。
開発者のピラティス自身は86歳でその生涯を閉じるまで、数えるほどの弟子しか取らなかったと言います。しかし、その弟子たちが独立してスタジオを開き、後進をたくさん育てました。けれどもピラティスは、アメリカ全土に広がってはいたものの支持していたのは、柔軟かつ強い身体を保たなければならないダンサーたちでした。
ところが1990年代になって、女優やモデルたちが体型維持のためにピラティスを始めたことで人気急上昇。一大ブームを巻き起こします。この爆発的な人気により、ピラティス・メソッドはたくさんの流派が誕生しました。現在では90億ドル(約9900億円)産業とも言われるピラティスですが、世界中に広まり愛されています。
ピラティスの種類
ピラティスは元々、器具を使って行うエクササイズでした。今では2つの種類があります。
マシンピラティス
ジョセフ・ピラティスが開発した、ピラティス専用の器具やマシンを使います。機械が必要なので、スタジオなどでしか行えませんが、ピラティス初心者や高齢の方、ケガや病気からの回復目的の方でも負荷をコントロールしながら無理なくトレーニングできます。
ピラティスはマシンピラティスから始まったので、インストラクターを目指すなら経験しておきたいピラティスです。マシンにも「リフォーマー」「キャデラック」などの種類がありますが、寝たきりの患者でも行えるという特徴があります。
マットピラティス
床の上のヨガマット1枚で行えるピラティスです。マシンピラティスに比べて、気軽に自宅ででもできるので人気があります。マシンを使わない代わりに、自分の体重を負荷として使い、さまざまなポーズや動きでバランスをとっていきます。
ピラティスボールやセラバンドなど道具を使うこともありますが、自己流にならないよう最初はスタジオなどでレッスンを受けましょう。呼吸法も行うので、ヨガと似ているようですが、ヨガが主に心身を整えるために行うものであるのに対し、ピラティスはインナーマッスルを鍛えるのが目的です。
ピラティスインストラクターの仕事とは?
ピラティスインストラクターとはどのような職業なのでしょうか。働き方や資格の取り方、インストラクターの将来性について紹介します。
ピラティスインストラクターの働き方
ピラティスインストラクターの役割は、「ピラティスのメソッドやエクササイズを正しく人に伝える」ということです。指導者となるので、骨格や筋肉のことまで知識を身につけておく必要があります。
ピラティスを習いたいという人は、「身体の不調を治したい」「美しくなりたい」というそれぞれの目的を持っています。生徒たちに正しい考え方、呼吸法、筋肉の動かし方を指導しながら、ピラティスの魅力を広めていくという役割も担っています。
多くのインストラクターは、ピラティス教室やスタジオ、フィットネスクラブのピラティスレッスンなどの講師としてスタートします。雇用形態はアルバイトや正社員などさまざまですが、中にはフリーランスとして契約している人もいます。給料は勤務形態によって色々ですが、正社員で年収300万が相場です。
将来自分のスタジオを持ちたいという夢がある人も、まずはどこかのピラティススタジオで働いてから独立するパターンが多いようです。
ピラティスインストラクターになるには
ピラティスインストラクターになる代表的な方法は、「ピラティスインストラクター養成講座」を受講して資格を取得することです。しかしながら、資格を取ったからすぐに独立ということは難しく、まずはピラティススタジオなどで先輩インストラクターに学びながら経験を積むことになります。
まったくの未経験で働きながらや主婦から資格取得を目指すこともできますが、インストラクターとして就職するのであれば、先に資格を取っておく方がよいでしょう。
ピラティスの資格はいくつもあるので、何となく決めるのではなく自分が学びたいピラティスを行っているのはどこかしっかり調べることが必要です。資格取得にはお金も時間もかかるので、資格選びは慎重に行いましょう。
ピラティスインストラクターの将来性
ピラティスインストラクターを目指す人は、何らかの形でピラティスを経験したことがある人がほとんど。ピラティスが好きで、それを仕事にしたいと思ったら、やはり資格を持っておく方が就職に有利です。全くの他業種からの転職でピラティスインストラクターになったという人も少なくありません。
ピラティスはすでに100年の歴史があり、世界中で人気のエクササイズですからインストラクターの需要はあります。美容や健康だけでなく、リハビリ目的で病院や高齢者施設でも取り入れられています。
年齢関係なく行えるので、長く続けられる仕事でもあります。いずれにしても資格を取っておくことはその第一歩であると言えるでしょう。
おすすめのピラティスインストラクター資格
ピラティスインストラクターの資格はいくつもあるので、いざ取得するとなるとどれを選べばよいか迷ってしまいますよね。そこで、おすすめの資格を「特徴・内容・費用」の面から紹介するので、参考にしてください。
zen place pilates(旧basi pilates)
幅広いピラティス専門プログラム提供者としては世界最大規模。1989年に設立され、現在はアメリカの南カリフォルニアに本部を構えています。ピラティス業界の基準となっているともいえるでしょう。
最大の特徴は「Flow Work」です。「Flow=流れ」という考え方で、「動きに無駄を作らない」ことを重視しています。世界40カ国以上で活動しており、「BASIインストラクター養成コース」卒業後の活躍の場も用意されています。
コースは「ピラティスマット指導者資格コース」「ピラティスマシン指導者資格コース」「コンプリヘンシブ指導・資格コース」「医療従事者向けbasi pilates養成コース」があり、それぞれに難易度や費用も異なります。
以下にまとめたのでご覧ください。
コース名 | 日数 | 試験 | 費用 | 備考 |
マット資格通常コース | 全7日 3ヶ月 | 解剖学クイズ 筆記/実技 | 土日コース330,000円(税込) 平日コース473,000円(税込) | その他コースも有 |
マシン指導者資格コース | 全13日 約6ヶ月間 | 中間試験 マシン最終試験(筆記、実技、レポート) 最終資格評価テスト | 土日コース583,000円(税込) | 対象はBASIマットコース修了者か、他団体マット卒業生 その他コースはこちら |
コンプリヘンシブ資格コース | 108時間 約9ヶ月間 | マット解剖学クイズ マシン中間試験 マシン最終試験(筆記、実技、レポート) 最終しか句評価テスト | 847,000円(税込) | 詳細はこちら |
医療従事者向けbasi pilates養成コース | 全6日 | 筆記試験 | 440,000円(税込) | 対象は医療従事者または運動科学の学位取得者 |
幅広くピラティスのエクササイズを網羅しているからこそ、段階的に上位資格を目指すことも可能です。初心者から上級者までおすすめできる団体です。
PHIピラティス
PHIは、「Performance Enhancement International」の頭文字を取ったもので、理想的な姿勢と身体の動きを学び、一生身につけることを目的としています。
考案者のルビィ氏は、理学療法修士であり、Natalie公認アスレチックトレーナーでもあり、カリフォルニア大学准教授でもあります。PHIのピラティスがリハビリからトップアスリートまでを対象にできる、本物のピラティスであると謳っています。
インストラクター養成コースも、マット、バレル、プロップス、チェアー、リハビリスペシャリストなど各種用意されており、それぞれ自分が専門的に学びたいものを選ぶことができます。
各コースさまざまなので、詳細は公式サイトをご覧ください。例として、中程度の養成コースをあげておきます。
【MAT Ⅰ&Ⅱ資格認定養成コース】
全4日間、約50のエクササイズを学び、不良姿勢への応用、運動学習についてを学習する。
費用は242,000円(税込)
JAPICA日本ピラティス指導者協会
JAPICAはピラティス指導者のみならず、医学博士、理学療法士、スポーツドクター、オリンピックメダリストなどを開発メンバーにした日本の団体です。
欧米で広まったピラティスですが、本来のメソッドに日本人の骨格に合わせたアプローチ法を加えて誕生しました。日本ならではのきめ細かい対応と、実践力を伴う指導者の育成を行っています。
資格コースも「マットピラティス・ベーシック」「マットピラティス・アドバンス」「マシンピラティス」「ゴルフピラティス」とあり、独自のカリキュラムになっています。詳細は公式サイトで確認してください。
【マットピラティス・ベーシック】
全15時間、最終日筆記試験あり。ピラティスの歴史、原則、機能解剖学、約50種類のエクササイズなどを学びます。JAPICA公認マットピラティス指導資格は、ベーシックコース受講後にアドバンスコースを受講する必要があります。
費用は88,000円(税込)※スタジオ入会金別途
STOTTO PILATES
ピラティス界で「名門」とされるのがSTOTTO PILATES(ストットピラティス)です。カナダに本拠地を置く世界のトップブランドとして日本でもライセンスを取得することができます。
現代的な解剖学を基本としたピラティスで、5つの原則を厳格に守りながら行います。日本にいながらにして本場カナダと同等のピラティスを学ぶことができます。
日本では公認ライセンストレーニングセンターでレッスンを受けられ、インストラクター養成コースもあります。世界的にも希少な公認の日本人インストラクターが、習得まで丁寧に指導してくれます。リハビリテーションコースを受けたい方は要チェックです。
初級・中級コースで受講料は約340,000円。詳しくは、公認ライセンストレーニングセンターの公式サイトで確認してください。
FTP Japan
FTPはイギリス・ロンドンでフィル・アーニーによって設立されました。最大の特徴は音楽を使うエクササイズで、マットピラティスに特化しています。ですから他団体より取得期間が短く、費用も安い設定がされています。
FTP Japanは、FTPが認可する日本のトレーニングセンターであり、ピラティス以外にもバーワークスやバレトンといったさまざまなフィットネスプログラムの提供もしています。
「ベーシック・マットピラティスインストラクターコース」は受講料185,760円(税込)です。
ピラティスインストラクターは目指す専門で選ぼう
主なピラティスインストラクターの団体と、資格取得コースを紹介してきましたが、団体によって特徴があることがわかります。ピラティスインストラクターを目指すなら、自分が理想とするメソッドはどの団体なのかよく見極めましょう。
ピラティスが大好きで上位資格を目指したい人から、本気で自分のスタジオを創設するためにがんばる人まで、資格取得の目的も人それぞれです。資格取得後は、その団体の支援を受けられたりもするので、最初にじっくり選びましょう。
ピラティスインストラクターは、資格取得に時間も費用もかかります。まったく違う仕事をしながらでも土日コースなど通えるコースもあるので、生活に合わせて取得可能かどうかも検討してください。
夢に向かって、まずはピラティスインストラクター資格を取りましょう!