看護助手資格を取得するメリットは?取得方法や試験内容を徹底解説!
治療行為ではなく「看護補助」の面で医療現場に携わる看護助手は、病院や施設で欠かせない存在です。
人の手を必要とする患者さんの身の回りのお世話などを、看護師の代わりにサポートする役割を持っています。
看護助手は資格がなくても働けますが、看護助手資格を取得することで多くのメリットを得られるのをご存知ですか?
この記事では、看護助手資格を取得するメリットや取得方法、試験内容を詳しく解説します。
看護助手を目指している人だけではなく、すでに看護助手として働いている人にも役立つ情報満載です!ぜひ参考にしてくださいね。
看護助手は資格がなくても働けるって本当?
看護助手は、無資格でも未経験でも働くことができる仕事です。以下で詳しく見ていきましょう。
資格なしでも働ける!未経験OKの求人も多い
看護助手は、医療現場での仕事とはいえ資格がなくても働けます。医療現場は人手不足になりやすいため、無資格・未経験OKの求人も多いです。
そのため、看護助手として活躍している人の年齢層は幅広いです。看護師を目指している学生や、医療機関の仕事に興味がある人など、さまざまな人が働いています。
パート・アルバイト求人も多いため、主婦にも人気の仕事です。
看護助手の仕事内容
看護助手の仕事は、看護師をサポートすることです。看護師が患者さんに的確な処置をおこなうために、さまざまな手助けをおこないます。
看護助手の仕事には、以下のようなものがあります。
- カルテや伝票の運搬
- 事務補助
- ナースセンターの整理整頓
- 医療器具の準備
- 薬の受け渡し
- 患者の移乗
- 入浴や食事介助
- 歯みがきや排泄補助
- ベッドメイクや環境整備
国家資格を持つ看護師と違って医療行為はおこなえませんが、看護師からの指示を受けて患者さんのお世話や介助をおこないます。
看護助手資格を取得するとどんなメリットがあるの?
看護助手は資格必須の職業ではありませんが、看護助手資格を取得するとさまざまなメリットが得られます。
どんなメリットがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
メリット1|看護助手に必要な専門知識が身に付く
看護助手資格を取得するメリット1つめは、看護助手に必要な専門知識が身に付くことです。
看護助手として働くためには、医療用語や医療機器の知識など、専門知識が必要になります。まったく知識がない状態で働くのは、分からないことが多すぎて戸惑ってしまうでしょう。
看護助手資格を取得することで、看護助手に必要な専門知識が身に付きます。看護師からの指示も理解しやすく、スムーズに仕事がこなせるようになります。看護師や患者さんからの信頼も得られるでしょう。
メリット2|介護の仕事にも活かせる
看護助手資格を取得するメリット2つめは、介護の仕事にも活かせることです。
看護助手でおこなう入浴介助や食事介助は、介護の仕事にも共通するスキルです。高齢化社会が進み、介護施設や訪問介護は増え続けています。
介護現場でもニーズの高い看護助手資格を取得しておけば、医療現場以外でも活躍することが可能です。
メリット3|即戦力として採用されやすい
看護助手資格を取得するメリット3つめは、即戦力として採用されやすいことです。
看護助手資格は、看護助手に関するスキルを習得している証となります。資格がなくても働けますが、資格の有無を採用基準として考慮するケースは多いです。
未経験だどしても、資格を持っていたほうが採用されやすくなります。また、勤務時間や給料など、条件に合った職場へ就職できる可能性も高くなるでしょう。
看護助手資格の種類や試験内容は?
代表的な看護助手資格は、以下の2つがあります。
- 看護助手認定実務者試験
- メディカルケアワーカー
それぞれの試験内容を、詳しく見ていきましょう。
看護助手認定実務者試験
看護助手認定実務者試験は、看護助手が医療現場で即戦力となる知識や技術を習得した証となる民間資格です。
2020年度より「看護助手実務能力認定試験」から「看護助手認定実務者試験」と名称変更されました。
受験資格もなく難易度もそれほど高くないので、初心者でもチャレンジしやすい資格です。
受験資格 | 特になし |
実施時期 | 年2回程度 |
受験科目 | 学科問題 ・看護助手業務と役割の理解:10問 ・患者の理解:10問 ・看護助手業務を遂行するための基本技術:15問 |
試験時間 | 90分 |
受験方法 | 一般:在宅受験 団体:会場受験 |
合格基準 | 正解率60%以上で合格 |
合格率 | 60~80% |
受験料 | 一般受験:5,000円(税込) 団体受験(認定機関の通学受講生):4,500円(税込) |
主催 | 全国医療福祉教育協会 |
メディカルケアワーカー
メディカルケアワーカーは、看護助手として求められる能力を証明する民間資格です。看護助手の地位向上や技能向上を図るために、日本ではじめて看護助手資格として認定された資格です。
メディカルケアワーカーの資格区分は1級と2級に分かれており、1級を受験するためには2級に合格する必要があります。
受験資格 | 【2級】 ・実務経験1年以上(実務経験証明書が必要) ・協会指定教育機関において「メディカルケアワーカー講座」の受講修了者 【1級】 ・メディカルケアワーカー検定試験2級合格者 |
実施時期 | 2級:年4回程度 1級:年3回程度 |
受験科目 | 【2級】 学科:20問 ・病院環境衛生学 ・医科薬科学 記述問題:800文字程度 【1級】 学科:25問 ・2級学科範囲 ・基礎心理学 ・実技緒論 記述問題:800文字程度 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 実施回ごとに受験者偏差値55以上、または正解率80%以上で合格 |
合格率 | 1級・2級ともに65% |
受験料 | 2級:7,700円(税込) 1級:8,700円(税込) 資格証カード発行手数料:1,540円(税込) |
主催 | 医療福祉情報実務能力協会 |
看護助手資格の取り方は?おすすめの通信講座を紹介
看護助手資格の勉強は、通信講座でおこなえます。スクールや学校に通わなくてもよいので、忙しい人にはピッタリの勉強方法です。
以下では、勉強しやすいと評判のおすすめの通信講座を2つ紹介します。
おすすめ通信講座1|ユーキャン
ユーキャンの「看護助手講座」は、わずか3冊のテキストで看護助手の知識をしっかり学べる通信講座です。
全国医療福祉教育協会認定の通信講座なので、終了課題をクリアすれば受験なしで資格認定されます。
取得できる資格 | 看護助手実務認定資格 |
受講期間 | 3ヵ月 |
指導サポート延長期間 | 受講開始から6ヵ月 |
サポート体制 | 質問:あり(回数制限が設けられる場合あり) 添削:3回(終了課題1回を含む) |
受験方法 | 在宅(終了課題で基準点に達していれば認定、要申請) |
受験料 | 講座費用に含まれる |
講座費用 | 一括払い:36,000円(税込) 分割払い:3,680円×10回(税込) |
3冊のテキストの他に、看護補助業務を分かりやすく解説したDVDや、医療用語をまとめた副教材もセットになっています。
初心者でも学習しやすい内容で、無理なく看護補助資格を目指せます。費用も手頃なので、挑戦しやすいところも魅力です。
おすすめ通信講座2|ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーの「看護助手講座」は、全国医療福祉教育協会の公式テキストと講義DVDで学習できる通信講座です。
ユーキャン同様、全国医療福祉教育協会認定の通信講座なので、終了課題をクリアすれば受験なしで資格認定されます。
取得できる資格 | 看護助手実務認定資格 |
受講期間 | 3ヵ月 |
指導サポート延長期間 | 受講開始から6ヵ月 |
サポート体制 | 質問:あり 添削:3回(終了課題1回を含む) 就職サポート:相談、求人紹介など |
受験方法 | 在宅(終了課題で基準点に達していれば認定、要申請) |
受験料 | 講座費用に含まれる |
講座費用 | 一括払い:36,700円(税込) 分割払い:クレジットカードまたはオリコ教育ローン |
授業を受けているかのような講義DVDで、テキストのみでは分かりにくい箇所もスムーズに学習できます。
ヒューマンアカデミーの受講生を対象とした「ヒューマンリソシア」に登録すれば、専任コーディネーターによる就職サポートを受けられるところもポイントです。
看護助手資格は独学で取得できる?おすすめの本やテキストを紹介
看護助手資格の取得は、独学でも目指すことができます。費用を最低限におさえられる、自分のペースで勉強できることがメリットですが、強い意思を持って続けることが重要です。
以下では、独学で看護助手資格を取得したい人におすすめの本やテキストを4つ紹介します。
おすすめ①看護補助者のための医療現場入門
実際の看護補助者の実務について解説された本で、看護助手として求められる知識を学べます。
出版社:産労総合研究所出版部経営書院
定価:1,300円
看護補助者のための医療現場入門は、こちらのサイトから購入できます。
おすすめ②早わかり看護「聞き言葉」辞典
医療用語や略語を学べる本です。持ち歩きに便利なポケットサイズで、外出先でも勉強できます。実際に働きはじめてからでも、活用できる一冊です。
出版社:照林社
価格:1,400円
早わかり看護「聞き言葉」辞典は、こちらのサイトから購入できます。
おすすめ③看護職と補助者の業務整理&補助者教育マニュアル
看護助手の業務内容を把握でき、看護助手として働く前に必要な知識を身に付けられる本です。
出版社:日総研出版
定価:3,300円
看護職と補助者の業務整理&補助者教育マニュアルは、こちらのサイトから購入できます。
おすすめ④看護助手実務能力認定試験 公式テキスト
全国医療福祉教育協会が発行している公式テキストです。試験の出題範囲を網羅でき、試験対策におすすめです。
出版社:全国医療福祉教育協会
定価:1,500円
看護助手実務能力認定試験 公式テキストは、こちらのサイトから購入できます。
全国医療福祉教育協会公式サイト※書店では販売されていません
看護助手の資格支援制度とは?活用するメリットを紹介
看護助手資格の取得は「資格支援制度」を活用できます。資格支援制度の内容や活用するメリットを、以下で詳しく見ていきましょう。
働きながら資格取得を目指せる制度
資格支援制度とは、仕事に必要な資格の取得を会社が支援してくれる制度のことです。
【支援内容の例】
- 資格取得のために受講した講座費用を全額または一部支給
- 受験料や試験会場までの交通費を支給
- 受験日を有給休暇扱いにしてくれる
- 資格取得に向けて勉強しやすいようにシフトを考慮してくれる
支援内容は会社によって異なるため、勤務先で確認してくださいね。すでに看護助手として働いている人は資格支援制度を活用して、看護助手資格を取得することをおすすめします。
これから看護助手として働きたいと考えている人は、「資格支援制度あり」の求人を探してみるとよいでしょう。制度内容は、面接時に確認してくださいね。
資格支援制度を活用するメリット
資格支援制度を活用するメリットは、資格取得にかかる費用をおさえられることです。受講費用や受験費用の負担が減るため、資格取得しやすくなります。
また、実務経験を積みながらスキルアップできることもメリットです。資格支援制度は会社が実施している制度なので、職場の理解を受けながら資格取得を目指せます。
看護助手資格を持っていない人は、資格支援制度を活用して知識や技術を積極的に身に付けていきましょう。
看護助手の給料や資格手当はいくら?
看護助手の平均給料|正社員・派遣社員・パート・アルバイト
看護助手の給料は、いくらくらいなのでしょうか。正社員・派遣社員・パート・アルバイトの平均給料を、以下にまとめました。
雇用形態 | 平均給料(基本給) |
正社員 | 月収17~20万円 |
派遣社員 | 時給1,200~1,500円 |
パート・アルバイト | 時給950~1,000円 |
看護助手の業務内容は、診療科や配属先によって異なります。外来は患者さんの介助がないため、病棟勤務に比べて給料が低い傾向があるようです。
また、看護助手の平均ボーナスは40万~45万円ほどです。支給有無や金額は勤務先や雇用形態によって異なるため、面接時に確認しておきましょう。
資格手当の支給有無は勤務先によって異なる
看護助手資格を取得していると、資格手当が支給されるケースもあります。資格手当以外にも、夜勤手当や休日手当が加算されることもあります。
ただし、各種手当の支給規定は勤務先によって異なるため、求人票をしっかり確認して求職活動をしてください。
まとめ:看護助手はやりがいのある仕事!資格を取ってステップアップしよう
看護助手は肉体的にも精神的にもハードな仕事ですが、患者さんやその家族から感謝されるやりがいのある仕事です。
人手不足が続く医療現場にとって、看護助手の存在は欠かせません。需要が高い看護助手の仕事だからこそ、求人も見つけやすいでしょう。
外来病棟やクリニックなら夜勤もないため、結婚や出産後でも働きやすい仕事です。看護助手資格を取得しておけば、ライフバランスの変化に合わせて仕事を続けられますよ。
看護助手資格は、再就職を目指している主婦にもおすすめの資格です。通信講座なら家事や子育ての合間に勉強できるため、無理なく資格取得を目指せます。
また、看護助手資格は介護の仕事にも活用できます。介護関係の資格を取得するときにも役立ちますよ。
看護助手の仕事に興味がある人、すでに看護助手として働いていてステップアップを目指している人は、看護助手資格を取得してみてはいかがでしょうか。