歯科助手資格の徹底ガイド|資格取得方法から給料まで一挙大公開!
歯科医院の増加や高齢化社会にともない、歯科助手のニーズはどんどん高まっています。求人募集も豊富で、歯科助手として働きたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
治療の介添役である歯科助手は、歯科医院にとってなくてはならない存在です。患者さんが安心して治療に取り組めるよう、歯科医師をサポートします。
そのためには専門的な知識が必要です。知識を身に付けていたほうがスムーズに仕事に取り組めるため、歯科助手資格を取得することをおすすめします。
この記事では、歯科助手資格を徹底ガイドします!
- 歯科助手の仕事内容
- 歯科助手資格の種類
- 歯科助手資格の取得方法
- 歯科助手の給料
これらの内容を詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
歯科助手になるためには資格が必要?
歯科医院に通院したことがある人なら、歯科助手がどのような仕事をしているかなんとなく想像できるかと思います。
歯科助手の役割は「歯科医師のサポート」です。治療前の準備や、治療中のアシスタントなどがメインの業務になります。
治療器具の知識や治療内容の把握など、多くのことを覚えなければいけません。
資格必須ではないが資格保有者のほうが有利
歯科助手は資格必須ではありませんが、資格を持っているほうが効率よく仕事をおこなえます。
歯科助手はサポートスキルが求められる仕事です。治療に必要な器具を準備する、適切なタイミングで器具を渡すなど、専門的な知識を身に付けなければいけません。
仕事に慣れるまでには時間もかかるため、歯科助手資格を取得して土台をつくっておくことをおすすめします。
また資格取得者は即戦力となるため、採用率も高くなる可能性があります。
歯科助手の仕事内容
歯科助手の主な仕事内容は、以下のとおりです。
受付業務 | 予約管理、患者対応、電話対応 |
会計業務 | 診療報酬計算、カルテファイル作成 |
治療準備・片付け | 治療に使用する器具の準備、使用後の器具の洗浄・滅菌処理 |
治療サポート | バキューム、ライト調整、患者誘導、患者介添、 |
その他 | 院内清掃 |
このように、歯科助手の仕事は多岐に渡ります。患者さんとのコミュニケーションも大切な仕事のひとつなので、明るく丁寧に対応することも欠かせません。
受付や会計業務専任の医療事務員をおいている歯科医院では、治療サポートのみをおこなうケースもあります。
歯科助手資格は種類が豊富!難易度は違うの?
歯科助手資格は国家資格ではありませんが、多くの民間資格が存在しています。種類によって習得できる知識や難易度が異なるため、あなたに合った資格を選んでくださいね。
日本歯科医師会歯科助手資格認定制度
日本歯科医師会歯科助手資格は、歯科助手の育成と資質向上を図るための認定制度です。「甲種」「乙種第一」「乙種第二」の3つの種類があり、歯科医師のサポートを円滑におこなえるスキルを習得した証となります。
受験ではなく、講習を受けることで認定されます。
甲種 | ・甲種歯科助手訓練基準による訓練を修了した者(420時間以上) ・乙種第一歯科助手の資格を有し、3年以上の業務経験を有する者であって、補充研修訓練基準にとよる訓練を修了した者 |
乙種第一 | 主として診療室内の仕事に従事する者(52時間以上) |
乙種第二 | 主として事務的な仕事に従事する者(40時間) |
講習の時期は地域や養成校ごとに異なため、都道府県歯科医師会に確認してください。
歯科助手検定試験
歯科助手検定試験は、2013年春から始まった新しい民間資格です。事務スキル、歯科医師・歯科衛生士のサポート知識を習得した証となります。
1~3級まであり、3級から順番に取得していきます。飛び級はできません。
受験資格 | 特になし |
実施時期 | 年3回(1級のみ年1回) |
受験科目 | 1級:歯科診療補助、解剖・生理学、歯科臨床概論、薬学、栄養、口腔衛生 2級:歯科診療補助、歯科臨床概論、口腔衛生 3級:歯科診療補助、歯科診療概論 |
試験時間 | 60分 |
受験方法 | 会場受験 |
合格基準 | 1~3級:正解率70%以上で合格 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | ★★★☆☆ |
受験料 | 1級:6,300円 2級:5,300円 3級:4,200円 |
主催 | 医療福祉教育振興グループ 日本医療事務検定協会 |
歯科アシスタント検定試験
歯科アシスタント検定試験は、事務業務と歯科医師のアシスタント業務のスキルを証明する検定試験です。1~3級まであります。
合格率は発表されていませんが、合格基準を見ると1~2級は少し難易度が高いと言えるでしょう。
受験資格 | 特になし |
実施時期 | 全国医療技能検定協議会にて要確認 |
受験科目 | 1級:歯科診療補助、解剖・生理学、歯科臨床概論、薬学、栄養、口腔衛生 2級:歯科診療補助、歯科臨床概論、口腔衛生 3級:歯科診療補助、歯科診療概論 |
試験時間 | 60分 |
受験方法 | 会場受験 |
合格基準 | 1級:正解率80%以上で合格 2級:正解率80%以上で合格 3級:正解率70%以上で合格 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | ★★★☆☆~★★★★☆ |
受験料 | 1級:6,300円(税込) 2級:4,500円(税込) 3級:3,800円(税込) |
主催 | 全国医療技能検定協議会 |
歯科医療事務管理士
歯科医療事務管理士は、歯科助手に必要な事務スキルを証明できる資格です。医療現場を事務面からサポートすることができます。
歯科医療事務の採用目安になる資格なので、就職時のアピールポイントにもなります。
受験資格 | 特になし |
実施時期 | 年6回 |
受験科目 | 学科・実技 |
試験時間 | 60分 |
受験方法 | 会場受験(年6回、奇数月の第4土曜日) ※通信講座を受講している場合は在宅受験可能 |
合格基準 | 学科:70点以上で合格 実技:点検・各作成問題ごとに正解率50%以上、かつ全体正解率70%以上で合格 |
合格率 | 70% |
難易度 | ★★★☆☆ |
受験料 | 7,500円(税込) |
主催 | 技能認定振興協会 |
歯科助手資格を取得するには?
歯科助手資格の勉強方法は、通信講座・通学講座・独学の3種類があります。
- 通信講座:自分のペースで勉強したい人、費用をなるべくおさえたい人におすすめ
- 通学講座:1人での勉強が不安な人、講師から直接学びたい人におすすめ
- 独学:ほとんど費用をかけずに勉強したい人におすすめ
スケジュールや費用など、あなたの条件にピッタリな勉強方法を選んでくださいね。
すでに歯科助手として働いている人は、「資格取得支援制度」を活用して資格取得することをおすすめします。
資格取得支援制度とは、受講費用の全額または一部を歯科医院が支給してくれる制度です。ただし制度実施の有無は歯科医院で異なるため、希望する人は勤務先に確認してみましょう。
通信講座1|ユーキャン
ユーキャンの「歯科助手講座」は、開講30年以上の実績がある通信講座です。基礎知識やレセプト作成が学べます。
取得できる資格 | 歯科医療事務管理士 |
受講期間 | 5ヵ月 |
指導サポート延長期間 | 受講開始から12ヵ月 |
サポート体制 | 質問:1日3問まで可能 添削:4回+終了課題(2回まで提出可能) 就職活動:就職ガイド付き |
受験方法 | 在宅受験(年6回、奇数月の第4土曜日に実施) |
合格基準 | 学科:70点以上 実技:1問につき正解率60%以上、かつ全体正解率70%以上で合格 |
受験料 | 7,500円(税込) |
受講費用 | 一括払い:45,000円(税込) 分割払い:3,300円×14回(税込) ※教育訓練給付制度対象講座 |
ユーキャンのテキストは図やイラストで解説されているので、初心者でも理解しやすくなっています。
専門用語を解説した副教材がついてくるので、つまづくことなく学習できることもポイントです。
受講期間は5ヵ月と長く設定されているので、忙しい人でもチャレンジしやすい通信講座です。
通信講座2|キャリカレ
キャリカレの「歯科助手講座」は、JADP認定歯科助手資格が取得できる通信講座です。
診療報酬を専門とする大学教授が監修しているテキストで、初心者でも安心して取り組めます。
取得できる資格 | 歯科助手資格 |
受講期間 | 3ヵ月 |
指導サポート延長期間 | 受講開始から12ヵ月 |
サポート体制 | 質問:何度でも可能 添削:全3回 就職・転職サポート:求人情報提案、カウンセリングなど |
受験方法 | 在宅受験(随時実施) |
合格基準 | 正解率70%以上で合格 |
受験料 | 5,600円(税込) |
受講費用 | 一括払い:36,000円(税別) 分割払い:1,880円×24回(税別) ※インターネット申し込みの特別価格 |
スマホで映像講義も視聴できる、テキストだけでは分からない部分もしっかり理解できます。
わずか3ヵ月で歯科助手資格の取得を目指せるカリキュラムなので、早く歯科助手資格を取りたい人におすすめの通信講座です。
通学講座1|ニチイ
ニチイの「医療事務講座(歯科)」は、厚生労働省認定教材を使用した質の高い学習を受講できる通学講座です。
同じ目標を持ったクラスメイトと一緒に学習できるので、不安を感じることなく学習できます。
取得できる資格 | メディカルクラーク(歯科) |
学習期間 | 3ヵ月 |
サポート体制 | 無料復習制度:試験不合格の場合終了後1年以内まで聴講可能 無料振替制度:欠席した場合は他クラスで受講可能 休学制度:やむを得ない場合は休学可能 編入制度:通学から通信への変更、他教室への変更可能 |
受験方法 | 在宅受験(年6回、奇数月に実施) |
合格基準 | 学科、実技Ⅰ・Ⅱそれぞれの正解率が70%以上で合格 |
受験料 | 7,700円(税込) |
受講費用 | 一括払い:91,850円(税込) 分割払い:ニチイクレジットで3~24回まで可能 ※教育訓練給付制度対象講座 |
午前・午後・夜間・全日の4つのクラスがあり、都合に合わせて講座を選べます。もっと早く資格取得を目指したい人は、最短1.5ヵ月で修了する短期クラスがおすすめです。
資格取得後は採用情報サイト「きゃりあネットPlus」で仕事を探せるので、就職活動も安心しておこなえます。
通学講座2|日本医療事務協会
日本医療事務協会の「歯科医療事務講座」は、歯科医療事務の知識を習得できる通信講座です。
講座修了後の資格試験合格率は、業界最高水準の96.6%!経験豊富な講師が、治療の流れにそって講義してくれます。
取得できる資格 | 保険請求事務技能検定試験(歯科) |
学習期間 | 5日間 |
サポート体制 | 重複受講制度:1年間は何度でも繰り返し受講可能 振替制度:欠席した場合は他クラスで受講可能 就職サポート:相談会、動画セミナー、求人情報配信など |
受験方法 | 会場受験(年6回、奇数月に実施) |
合格基準 | 非公開 |
受験料 | 7,700円(税込) |
受講費用 | 一括払い:64,900円(税込) 分割払い:月々3,000円以上の支払いで利用可能 |
1日6時間、合計5日間の講座で、歯科助手資格の取得を目指せます。受講期間が短いですが、実務で活かせる知識を分かりやすく解説してくれます。
試験は年6回実施されているので、すぐにでも資格を取りたい人におすすめの通学講座です。
独学で歯科助手資格の取得を目指したい!おすすめの本は?
通信講座や通学講座ではなく、独学で頑張ろうと決意した人もいるでしょう。独学は費用負担も少なく、自分のペースで勉強できることがメリットです。
以下では、独学で歯科助手資格の取得を目指している人のために、おすすめの本を5つ紹介します。
おすすめの本①実務版 歯科アシスタント MY BOOK
歯科助手に必要な知識を分かりやすくまとめてあるので、初心者でも勉強しやすい本です。持ち歩きに便利な小さめサイズの本で、外出先でもサッと取り出して勉強できますよ。
実務版 歯科アシスタント MY BOOKは、こちらのサイトから購入できます。
おすすめの本②デンタルアシスタントマニュアル 歯科臨床の基礎
歯の基礎知識や治療器具など、写真やイラストを用いて解説されている本です。歯科助手の知識がない人でも、理解しやすい内容の一冊です。
デンタルアシスタントマニュアル 歯科臨床の基礎は、こちらのサイトから購入できます。
おすすめの本③イラストで見る スタッフのワーキングマニュアル
歯科医院経営者向けの本ですが、歯科助手資格の勉強にも役立つ内容です。イラストとテキストで分かりやすく解説してあるので、初心者でも読みやすい一冊です。
イラストで見る スタッフのワーキングマニュアルは、こちらのサイトから購入できます。
おすすめの本④患者さんの心と信頼をつかむコトバづかいと話し方
患者さんの信頼を得るための言葉づかいを、具体的な事例を挙げて紹介されている本です。接遇マナーも必要となる歯科助手にピッタリの一冊です。
患者さんの心と信頼をつかむコトバづかいと話し方は、こちらのサイトから購入できます。
おすすめの本⑤歯科診療補助論
歯科衛生士学校などの教科書として使用されている専門書です。専門知識を学べるので、歯科助手資格の勉強におすすめです。
歯科診療補助論は、こちらのサイトから購入できます。
歯科助手の給料は?資格手当は支給される?
実際に働くとなると、気になるのは給料や手当ですよね。歯科助手は専門的な知識を求められる職業のため、一般事務よりも少し高めの給料が相場になっています。
ただし歯科医院や地域によって差があるため、目安として参考にしてください。
正社員の平均給料
歯科助手の正社員の平均給料は、17万~22万円が相場です。賞与がある場合は月収1~2ヵ月分が年2回支給されるので、年収は250万~300万円ほどが目安となります。
都心部の歯科医院や規模が大きい医院は、給料が高めに設定されていることが多いようです。
アルバイト・パートの平均給料
アルバイト・パートの平均給料は、時給900~1,500円が相場です。経験年数や資格の有無などで、時給に幅があります。
正社員の給料と同じく、地域や規模で金額が異なることが多いようです。
資格手当の支給有無は勤務先によって違う
歯科助手資格を取得している場合は、資格手当を支給してくれる歯科医院もあります。ただし支給の有無は歯科医院によって異なるため、面接時に確認しておきましょう。
まとめ:歯科助手資格を取得してスキルアップを目指そう!
歯科助手は専門的な知識を必要とする仕事です。無資格でも働けますが、やはり知識を習得した資格保有者のほうが就職に有利と言えるでしょう。
歯科医院の数は年々増えており、歯科助手のニーズは高まる一方です。歯科助手資格を取得しておけば、年齢を重ねても安定して働ける可能性が増えますよ。
この機会に、歯科助手資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。