保育士は資格がなくても働ける?保育士の仕事を解説!
主婦や社会人からも人気の資格のひとつ「保育士」。でも、保育士資格を取ったあと何をしたらいいのか知っていますか?また、保育士はどんな施設でなにをする仕事なのか、具体的に知っていますか?
資格取得後になにができるのか、どんな仕事ができるのかを具体的に知ると、合格後のイメージがはっきりして、勉強へのモチベーションがあがりますよね。
保育士資格を取った後、まずやらなければならない登録申請の仕方や、保育士の仕事、幼稚園教諭との違い、保育士資格がなくても働ける仕事、そして保育士の求人情報についてまとめました。
気になる保育士資格の取得後!この記事をぜひ参考にしてください。
保育士に合格したら?まず「登録申請」から!
保育士試験に合格したらすぐ保育士として働くことができると思っていませんか?実は、保育士として仕事をする場合、事前に都道府県知事に対して「保育士登録」をしなければなりません。これは児童福祉法に定められた大切なステップです。
登録申請は、正確には都道府県知事委託保育士登録機関の「登録事務処理センター」に対して行います。手順は以下の通り。
- 「保育士登録の手引き」を取り寄せる
- 手引きに同封されている払込用紙で手数料(4,200円/人)を振り込む
- 申請に必要な書類を用意する
- 保育士登録申請書
- 振込払込受付証明書
- 保育士となる資格を証明する書類の原本(指定保育士養成施設卒業証明書・保育士養成課程修了証明書・保育士試験合格通知書などのいずれか)
- 戸籍抄本
- 申請書類を簡易書留にて登録事務処理センターに提出する
- 保育士証が交付される
およそ2か月で審査・決定を経て、各都道府県の保育士登録簿に記載された後に、保育士証が交付されます。
この「保育士証」の交付があって、初めて保育士として働くことができます。
定期的な更新などはありません。しかし、氏名や本籍地の都道府県が変更になった場合、紛失したり汚損してしまった場合などには、登録事務処理センターから更新の手続きが必要です。更新を忘れず、保育士としていつでも働けるようにしておきたいですね。
登録事務処理センター : https://www.nippo.or.jp/hoikushi/
保育士資格が必要な仕事
保育士資格を取得したあとに、どんな仕事をしたいのか、具体的に考えたことはありますか?「保育士」と聞くと、一般的には保育園で働いている先生をイメージしますよね。
でも、保育士の資格を活かせる仕事は保育園以外にもあります。また、保育園で保育士はどんな実務を行っているのでしょうか。
保育士資格が必要な仕事
保育士は、児童福祉法にもどづく国家資格です。第18条の18第1項に「保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」とあります。
したがって、保育園だけではなく、児童福祉法に定めのあるさまざまな児童福祉施設で保育士として働くことができます。
- 助産施設
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 児童厚生施設(児童館など)
- 児童養護施設
- 知的障害児斉説
- 知的障害児通園施設
- 盲ろうあ児施設
- 肢体不自由児施設
- 重症心身障害児施設
- 情緒障害児短期治療施設
- 児童自立支援施設
- 児童家庭支援センター
- 保育所(「保育園」は通称で、児童福祉法での名称は「保育所」となっています)
保育所以外で働く保育士は「施設保育士」と呼ばれます。
施設保育士は、保育所と同じように、子どもの心のケア・身の回りの世話・集団生活のルールなどを学ばせるほか、自立して生活できるように支援をすることが大切な仕事のひとつになっています。
中には通園で利用する施設もありますが、利用者に対して24時間の密接なケア・支援が必要です。施設を利用する子どもだけでなく保護者にとっても大切な生活の場となるため、保育士の役割はとても大切。責任も大きく、また大きなやりがいも感じられる仕事です。
保育士が行っている実務
保育士の仕事は、とても広範囲です。
例えば保育園で保育士が主に子どもに対して行うのは、
- 生活の世話やさまざまな活動を通して心身の発達を促す
- 食事、トイレ、着替えなど基本的な生活習慣を身につけさせる
- 集団で生活することで社会性を養う
そのほか、清掃、スケジュール作成、保護者への連絡、連絡帳への記入、職員間の連絡、プリント作成、イベントの準備なども行います。子どもと触れ合うだけではなく、保護者や職員同士といった大人のコミュニケーション、書類の作成、イベントの準備など、どれをとっても大切な保育士仕事。実際に行う仕事はさまざまです。
しかし、子どもの成長を目の当たりにすることができたる保育士の喜びはとても大きなものですよね。責任とともに充実感や達成感も実感しやすい仕事と言えます。
幼稚園教諭と保育士、なにが違うの?
就学前の幼児が利用する施設には、幼稚園もあります。では、幼稚園教諭と保育士には、どんな違いがあるのでしょうか。
保育園と幼稚園の違い
保育園 | 幼稚園 | |
施設 | 児童福祉施設 | 教育施設 |
保育内容 | 保育所保育指針 | 幼稚園教育要領 (3歳以上の教育についてはならい・内容ともに保育所保育指針と同じ) |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
対象年齢 | 0歳~就学前 | 3歳~就学前 |
標準的な子どもの在園時間 | 8時間 | 4時間 |
配置基準 | 国の配置基準は、保育士1人につき ・0歳児3人 ・1~2歳6人 ・3歳20人 ・4歳以上30人 (その他自治体や施設にも設定があり、国の配置基準を下回らない) | 1学級(最大で35人)につき専任教諭1人 |
資格の種別 | 「保育士」はひとつ (合格・登録後3年間は受験した地域(自治体)のみ限定で働くことができる「地域限定保育士」もある※) | ・1種免許状(大学卒業で取得でき、施設長になることができる) ・2種(短期大学や専門学校卒業で取得できる ・専修(大学院修士課程修了で取得できる) |
資格の更新制度 | なし (氏名・本籍に変更があった場合などは、保育士証の登録を変更する) | 10年ごと(平成21年4月1日以降に初めて授与された免許※2)に必要。30時間以上の更新講習を受講・修了し、教育委員会に申請する |
※1 地域限定保育士 : https://www.nippo.or.jp/hoikushi/limited/limited_institution.html
※2 平成21年3月以前に授与された免許状は、有効期間はなく、生年月日によって終了期限あり。
保育士と幼稚園教諭、実務や待遇の違いは?
保育士と幼稚園教諭の実務で一番の大きな相違点は、対象とする子どもの年齢と子どもの在園時間による違いです。
0歳から保育する保育士は、食事・排泄など生活の基礎からすべての世話や介助が必要です。必然的に一人にかける時間もがなくなります。また、保育園では子どもの在園時間が幼稚園にくらべて長いので、保育士は養護的な関わりも大切にしなければなりません。
休みや給料など待遇の違いは、職場によって違います。幼稚園は夏休みなど長期の休みもありますが、保育園にはありません。でも研修や事務作業で出勤が必要な幼稚園もありますし、シフト制勤務を取り入れて休みを取りやすく工夫している保育園もあります。
給料も、私立と公立、勤続年数によっても異なります。保育士と幼稚園教諭のどちらがより待遇が良いかは一概には言えません。
保育士資格がなくても保育園で働ける?
保育士資格を取得する前に働いてみることができたらいいなと思いませんか?
保育士の仕事を実際に近くで見て、子どもたちの笑顔にふれることができたら、保育士を目指す大きな原動力になるかもしれません。
そんなときには、「保育補助」の仕事がおすすめです!
「保育補助」は保育士資格がなくても働ける!
保育園では、子どもの年齢ごとに保育士の配置人数が決まっています。しかし、保育の現場では、活動によってはこの配置人数では人手が足らないことがあります。配置人数以外は保育士の資格がない人でも働くことができます。これが「保育補助」の仕事です。
保育補助と保育士の一番大きな違いは、担任を持つことはできないということです。しかし、園や状況によって任される仕事は異なりますがそれ以外に実務の違いの決まりはありません。子どもの世話・介助、食事や遊びの準備、見守り、登園時やお迎えの対応などを行います。
保育補助で働いてみるのは、保育士を目指すうえでも参考になりますよね!
保育園のバイト・パート・正社員の違い
保育園で働く職員にも、正社員のほかにバイト・パートの求人もあります。パートやバイトの保育士もありますし、保育補助も同様です。
給料などの待遇は、保育士で正社員になり、さらに経験を積むのが一番良いです。でも、ほかの仕事と同じように、子育てが一段落した主婦など、正社員で働くには時間が足らない人や、夕方の時間に少しだけ働きたい人など、バイトやパートとして働く人も多くいます。
子どもとふれ、成長を身近に感じられる仕事は充実感も多く魅力的ですよね。求人サイトなどを利用して地域の求人を検索してみてください。
保育士バンク! : https://www.hoikushibank.com/
マイナビ保育士 : https://hoiku.mynavi.jp/
保育士求人保育情報どっとこむ : https://www.hoikujyouhou.com/
保育のお仕事 : https://hoiku-shigoto.com/
保育の仕事、保育士は登録から、今すぐ働きたいなら保育補助!
保育の仕事は、子どもの成長を実感できる充実感の大きい仕事ですが、子どもの安全を守る仕事でもあります。
専門的な知識を身に着けた保育士となってから働くにしても、保育補助として現場で働いてみるにしても、どちらにしても、責任と自覚をしっかりもって仕事に取り組み、保育の仕事の充実感を精一杯満喫したいですね!
保育士資格についてさらに深く知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください!